2021.04.07 23:32

井上バレエ団「ゆきひめ」(配信)

今年2月28日の井上バレエ団公演の映像が、4月9日までイープラスで配信中です。
https://eplus.jp/sf/detail/3365290002?P6=001&P1=0402&P59=1

2019年5月になくなった関直人さんの追悼公演で、演目は関さん振付の「ゆきひめ」「クラシカル・シンフォニー」と、石井竜一さん振付の「Chacona Dedicada」。

「ゆきひめ」は雪女が原作の1幕もので、1972年初演。
登場するのは若者、ゆきひめ(雪女)、雪の精たちで、初演時は若者はバレエダンサー、ゆきひめと雪の精は日本舞踊家が踊りました。その後改訂を重ねて、全役がバレエのバージョン、ゆきひめのみが日舞のバージョンが発表されたそうですが、今回の配信されているのはゆきひめだけが日舞のバージョンです。
(去年4月に「上野の森バレエホリデイ」で配信されたのは、全役がバレエダンサーのバージョンでした。)

私は「ゆきひめ」を25年前に一度見まして(1996年12月22日 メルパルクホール)、洋舞と日舞の組み合わせの珍しさと雪の場面の美しさによって、以来忘れがたい作品になりました。

また、吹雪の中、若者が命を助けられる場面が暗転すると、すぐに若者と(正体を隠した)ゆきひめが暮らしている場面に転換し、ゆきひめが訪ねてきて若者の生活に入り込む過程をはぶいて冗長さを廃した構成の巧みさにも感心しました。

加えて、命が助かった後に約束を違える(口止めされたことをうっかりもらしてしまう)筋運びと、作中の静かに踊る雪の白い群舞が重なって、赦しが裏切りに先行する『ジゼル』という印象も受けました。

あらためて見ると20分余りの短い作品ですが、ずっと30分以上だと思っていたのは密度の濃さゆえでしょうか。一時期上演されない期間がありましたが、是非長く踊りついでほしい日本バレエの秀作です。(大和シティバレエが2018年8月に「ゆきひめ」を上演したのは喜ばしいことでした。私は残念ながら日程の都合で舞台を見られませんでしたが。)

「クラシカル・シンフォニー」は1977年初演。随所に入るアクセントが楽しいシンフォニック・バレエですが、踊るのはかなり難しそうです。

動画の配信は4月9日(金)まで。チケット2,000円。
関直人作品のハイライトシーンが流れる特定映像(約5分)付き。(共に流れる作品リストの長さたるや!)
公演のチラシが井上バレエ団のサイトで見られます。

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本日のおまけ。
冬の野外の人形浄瑠璃(札幌)。周囲の雪の色に合わせて黒子さんならぬ白子さんが登場するのが微笑ましい。
https://www.youtube.com/watch?v=w68mF4UlERA

こちらは雪中の火の見櫓。
https://www.youtube.com/watch?v=H32faZ9mwLA