2017.12.27 23:42

薄井憲二さん

薄井憲二さんが12月24日に亡くなられたそうです。93歳とのこと。

著書・訳書も多数ありますが、薄井さんの肩書きを単にバレエ評論家としてよいものかどうか。若い時にはダンサーとして踊られ、後には若い方の指導もし、バレエ資料のコレクターとしても知られ、国際コンクールの審査員も務め、バレエに関する多方面で活躍された方でした。

何度か講演会にうかがい、子供の時にエリアナ・パブロワ(!)の舞台を見たというお話や、ルドルフ・ヌレエフの初来日の時のお話など、羨ましくもありがたく拝聴したものです。またお話の興味深さと共に、思慮とほんの少しの含羞をにじませた上品な語り口も、強く印象に残っています。

もう20年近く前になりますが、二度、じかに薄井さんとお話する機会がありました。二度とも小さな相談事を携えていたのですが、いずれにも(ゆったりと丁寧な口調で)大変適切なアドバイスをいただき、そのことは今でも感謝しております。

できればまた講演などで薄井さんの思い出話を聞ければと願っていたのですが、かなわぬこととなりました。
一人のお年寄りが亡くなるのは一つの図書館が無くなることと、作家の森まゆみさんがおっしゃっていますが、日本のバレエ界は大きな大きな図書館を喪いましたね。