2007.06.17 23:37

アントニオ・ガデス舞踊団 2009年公演

アントニオ・ガデス舞踊団の再来年の来日公演が、早くも決定されました。
http://www.japanarts.co.jp/html/JA_world_artists/gades.htm

招聘元はこれまでと同じジャパン・アーツ。
演目は今回の「血の婚礼」「フラメンコ組曲」『カルメン』に加え、『アンダルシアの嵐』も。


ガデス以外の人がホセを踊る『カルメン』を観るのは、この3月が初めてでした。踊る人が変わると作品全体の印象がこうも違うのか、という驚きがまず先に来ました。ぎりぎりまで力を溜め込んで、鋭角的に空間に切り込んでいくガデスの支配する舞台は、それゆえ静と動の対比がはっきりしたものでした。

対してアンドリアン・ガリアのホセは、内面から湧き上がるパワーを絶え間なく押し出して行くダンサーのようで、舞台そのものも押し流されるように進んで行きます。間の取り方が、ガデスとは大きく異なるせいでしょう。

2人の個性の反映なのか、舞台の細部もところどころ、これまでとは違っていました。
例えば、カルメンが工場で別の女ののどをナイフで掻き切った直後、以前は数秒の静止があったものでしたが、今回はほんの一瞬止まるだけ。

また、カルメンを刺したガデスのホセは、その後に崩れ落ちるカルメンに左手を差し伸べます。右手で刺した相手を左手でなお支えようとするわけですが、ガリアにはこの動きはありませんでした。

しかし、私はガデスとガリアの違いを指摘して、ガリアの舞台を否定しようというのではありません。
誰かがガデスのコピーとして踊るのを見たいとは思いませんし、実際、どんな努力を重ねたところで、誰もアントニオ・ガデスになることはできません。

ガリアはガデスの『カルメン』に最大限の敬意を払いつつ、ガリア自身のホセを踊っていました。創作者の手を離れて作品が古典として踊られるというのは、そういうことなのでしょう。
そしてまた古典として踊られ続けていくうちに、ガデスの“間”が再発見されることもあるのかもしれません。
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