「上野の森バレエホリデイ」Onlineプログラム
今週末、4月29日(金)〜5月1日(日)には、3年ぶりに「上野の森バレエホリデイ」が開催されます。会場は東京文化会館ですが、オンラインでも様々な動画が配信されています。
「バレエホリデイ」の一環として4月29日から3日間上演される東京バレエ団『ロミオとジュリエット』に関連した「ロミオとジュリエット特集」の他、牧阿佐美バレヱ団「ル・コンバ」、井上バレエ団「ラ・ヴェンタナ」(第2景)など、目にする機会の少ない演目の舞台映像など、貴重な動画が多数。
舞台裏を見るのが大好きな私は「舞台の仕事」という動画もわくわくしながら見ました。
東京バレエ団の南江祐生さんが、長年東バの舞台を支えている方々(舞台監督の立川好治さん、照明担当の喜多村貴さん、衣裳担当の勝俣玲さん)にお話を聞きます。
お客が入ると客席と舞台側で温度差が生じて風が起こり、吊り幕の動きに影響するとか(舞台装置ですからどっしりしたように見えますが、意外に繊細なものなんですね)、東バが上演しているブルメイステル版『白鳥の湖』のプロローグから1幕への転換時間は45秒とか(短いとは思っていましたが、そこまでとは)。
(1幕から2幕への舞台転換の様子も見られます)
公演会場の衣装部屋には洗濯機も持ち込み。これは木箱に入れて輸送するんですね。そして箱入りのまま設置(ステンシルしたような箱表面の“WASH”の字がおしゃれです)。
衣装については、2018年のマスカット市(オマーン)公演の衣装のお話も。
宗教上の理由から出演者は肌の露出を避ける必要があり、薄手の布で補正した衣装を用意したのに、現地で不備を指摘されてあちらのスタッフの方と一緒に対応したと(作業風景の映像がほんの少し出てきます)。
私は現地でこの公演を見て、衣装に全く違和感を抱かなかったのですが、実は裏ではかなりのご苦労があったのですね。
「ボレロ」冒頭の照明は手動であることは知っていましたが、あらためて東京文化会館の5階の照明室からスポットを当てているのを見ると、あんな遠い場所にあんな小さい光を当ててるのかと感心しました。公演会場が変われば繊細な調整も必要になりましょうし、これは思っていた以上にかなり高度な技術では。
と、スタッフの方の説明がまずとても興味深いのですが、同時に映し出される『白鳥の湖』『くるみ割り人形』などの舞台裏の光景もとても刺激的です。
何重にも重なっている『くるみ』の巨大な幕、東京文化会館の舞台上12mの高さからの眺め(ヘルメット姿の南江さんが微笑ましい)、ロットバルトの岩の背面、白鳥湖が大荒れする仕掛け等々。
25分程の映像ですがあっという間に見終えてしまいました。続編を期待したいところです。
「舞台の仕事」
https://www.youtube.com/watch?v=-4xND5oRafA
公開は5月8日(日)までですので、期間中にぜひ。できれば大きな画面でどうぞ。