2021.11.13 21:06

Dance of Blue「Classics」

昨年、多くのダンサーが参加してのオンライン公演を開催したDance of Blueが、第2回目のオンラインバレエ公演を企画しています。

今回は「Classics」「Advance」と題した2本立てで、このうち「Classics」は有観客公演も実施します。

 ■ Dance of Blue「Classics」

 11月22日(月) 17:30
 座・高円寺2

 「コッペリア」
  野久保奈央 浅田良和

 「海賊」第1幕よりパ・ド・ドゥ
  中村春奈 益子倭

 「白鳥の湖」第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
  中森理恵 刑部星矢

 「真夏の夜の夢」(振付:Toni Pimble)
  大島淑江 荒井英之


撮影の都合でしょうか、月曜日の17時半開始という若干行きにくい時間帯ではありますが、観客人数を絞った中での舞台鑑賞はかなり贅沢ですよね。

現在、クラウドファンディングで支援者を募集しており、「Classics」のチケットもこちらで購入することができます。
https://camp-fire.jp/projects/512737/

アフタートークと映像が付いているセットと付いていないセットがありますし、また割引率も色々ですから、お申込の際はしっかりご確認を。

「Classics」は12月下旬、「Advance」は来年1月初旬に無料配信が予定されていて、上記URLのクラウドファンディングではこれらの無料配信と、12月に静岡県浜松市で開催されるワークショップのための支援も併せて募集しています。

「Advance」で配信されるのは「真夏の夜の夢」の他、安西健塁さん振付「Pluto」と関口啓さん振付「@Holic」。こちらもとても楽しみです。

2021.11.05 23:49

東京バレエ団「ドリーム・タイム」

週末の東京バレエ団公演応援第3弾。「ドリーム・タイム」篇。

明日、明後日の東京バレエ団公演で上演される「かぐや姫」「中国の不思議な役人」「ドリーム・タイム」はいずれもコンテンポラリーですが、明確な筋書きを持たない「ドリーム」が最も抽象度の高い作品ということになりましょうね。

午睡のまどろみのような音楽の中、5人のダンサーが滑らかにフォルムを次々と変えてゆく光景は、最初に登場する女性達の夢なのか、現実なのか、それとも何かを象徴しているのか、解釈は観客に委ねられる魅力的な作品です。舞台美術も素晴らしい。

今回、「ドリーム・タイム」に出演するのは両日ともに、沖香菜子さん、三雲友里加さん、金子仁美さん、宮川新大さん、岡崎隼也さん。


 ◆ 今の自分にあった表現を ―「中国の不思議な役人」&「ドリーム・タイム」、2作品に出演する宮川新大(東京バレエ団ブログ 10月28日)

こちらは前回の記事で一度リンクしましたが、宮川さんが「ドリーム」についても語っていますので再掲します。
ブログの中で国内でこの作品を踊るのは初めてと宮川さんが語っていますが、沖さん、金子さん、岡崎さんも東京公演で踊るのは初めて。三雲さんは初役ですから、5人全員が東京初お目見えということになりますね。

 ◆ 沖香菜子の語る、「ドリーム・タイム」の魅力(東京バレエ団ブログ 10月24日)


私は2年前のミラノ・スカラ座での上演を見ましたが、幻想的な音楽と美術に流麗な振付が重なって、あらためてとても好きな作品だと感じました。会場の拍手が長く続いたことも忘れられません。

「かぐや姫」の初演がまず話題の今回の公演ですが、ベジャールの「中国の不思議な役人」もキリアンの「ドリーム・タイム」も、振付家にとって代表作と言える作品。いよいよ明日幕が上がる公演にどうしたって期待がふくらみます。


東京バレエ団「かぐや姫」「中国の不思議な役人」「ドリーム・タイム」

 11月6日(土) 14:00
 11月7日(日) 14:00
 東京文化会館
  NBSチケットセンター他で発売中

東京バレエ団「かぐや姫」「ドリーム・タイム」

 11月20日(土) 13:00/17:00
 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
  りゅーとぴあオンライン・チケットNBSチケットセンター他で発売中

2021.11.03 22:39

東京バレエ団「中国の不思議な役人」

週末の東京バレエ団公演応援第2弾。本日は「中国の不思議な役人」篇です。

「中国の不思議な役人」はモーリス・ベジャールが1994年に振り付けた作品。音楽はベラ・バルトーク。東京バレエ団の初演は2004年2月。

長らく中国の役人を踊っていた木村和夫さんが2017年度に退団したため、しばらくこの作品の上演はないものと思っていましたが、去年4月に入団した大塚卓さんが役人にキャスティングされて果敢に挑みます。

 ◆ 東京バレエ団「中国の不思議な役人」大塚卓インタビュー(NBS Newsウェブマガジン 10月20日)

 ◆ 東京バレエ団「中国の不思議な役人」主演!大塚卓〜ベジャールの振付は、動きに終わりがない。踊っていて「自由」を感じます(バレエチャンネル 10月31日)

そらで歌えるまで曲を身体に入れてから踊るという大塚さん、インタビュー当時は毎日、家で作品の音楽を流してずっと聞いていたとのこと(今もそうでしょうか)。一つの作品を踊るためにこんなに音楽を聞くのは初めてかもしれないとも。


「中国の役人」でこちらも大変重要な「娘」は宮川新大さんと池本祥真さんのダブルキャスト。宮川さんは前回に続き2度目、池本さんは初役です。

 ◆ 今の自分にあった表現を ―「中国の不思議な役人」&「ドリーム・タイム」、2作品に出演する宮川新大(東京バレエ団ブログ 10月28日)

 ◆ 役の内面を理解し、動きを台詞のように ―池本祥真、「娘」役に初挑戦!(東京バレエ団ブログ 11月1日)

ヒール付きの靴にはやはりお二人とも苦戦しているようですが、池本さんは足元が不安定になるのを逆に利用して女性的なラインを表現できたらと。宮川さんによると、娘の服装は踊りやすいそうです。


今回の上演に当たっては、モーリス・ベジャール・バレエ団で長く活躍し、この作品の創作過程にも立ち会い、初演で役人にキャスティングされた小林十市さんが指導しています。

 ◆ 自身の中に言葉をもってないと動きに現れない ―小林十市の語る「中国の不思議な役人」の世界(東京バレエ団ブログ 10月27日)

 ◆ 小林十市のオンライントーク vol.1 ―「中国の不思議な役人」初演時の裏側と作品の魅力(Youtube 10月30日)

「中国の不思議な役人」は踊る演劇と語る小林さんは、「音」の重要性についても繰り返し触れています(オンライントークは近々続きがアップされるのでしょうね)。

できれば無頼漢の首領(シェフ)を踊る鳥海創さんと柄本弾さんのインタビューも読みたいところですが、公演も迫っていることなので、それはなかなか難しいでしょうか。


東京バレエ団「かぐや姫」「中国の不思議な役人」「ドリーム・タイム」

 11月6日(土) 14:00
 11月7日(日) 14:00
 東京文化会館

 チケットはNBSチケットセンター他で発売中

2021.11.01 23:44

東京バレエ団「かぐや姫」

今週末、11月6日・7日は東京文化会館で東京バレエ団のミックス・プログラムが予定されています。演目は「かぐや姫」(振付:金森穣)、「中国の不思議な役人」(振付:モーリス・ベジャール)、「ドリーム・タイム」(振付:イリ・キリアン)の3作品。

「かぐや姫」は世界初演です。全3幕の構想ですが、今回は第1幕をまず上演。Noism Company Niigataの芸術監督である金森穣さんが外部に作品を提供するのは、17年前にNoismを設立して以来初めてのこと。

世界初演ということで注目を集め、東京バレエ団も熱心に情報を発信していますから、ネット上には金森さんと出演ダンサーのインタビュー等が多数。以下にその紹介リンクを(日付はいずれも2021年)。


「東京バレエ団×金森穣「かぐや姫」を題材とした新作世界初演の記者会見が行われた」(Chacott 3月20日)

2021年3月8日に行われた、金森さんと東京バレエ団芸術監督の斎藤友佳理さんによる記者会見の詳細。クロード・ドビュッシーの音楽を使用することもこの時に明かされました。

日本にだけ通用するのではなく、ヨーロッパでも評価される、愛される作品になって欲しいと斎藤さんが述べれば、それを受けて普遍性が大事と語る金森さん。

この作品に対する並々ならぬ意欲が伝わってくる上記の記事は是非全文を読んでいただきたいところですが、かなりのボリュームがありますので、もう少しコンパクトな記事はこちらで。

「東京バレエ団×金森穣 新作世界初演「かぐや姫」 記者会見レポート」(東京バレエ団ブログ 3月9日)

「東京バレエ団 × 金森穣による新作『かぐや姫』世界初演、音楽はドビュッシーを使用」(ぶらあぼ 3月15日)

「東京バレエ団×金森穣による新作『かぐや姫』世界初演が決定、2021年秋を彩る超話題作に注目」(SPICE 3月10日)


金森さんと東京バレエ団とのリハーサルは数期に区切って行われました。こちらは第1期(3月)と第2期(8月)の間に掲載されたインタビュー。

「金森穣、新作『かぐや姫』を語る(前編)」
「金森穣、新作『かぐや姫』を語る(後編)」
(NBS Newsウェブマガジン 7月7日/7月21日)


リハーサルの様子は、金森さんご自身が詳しくブログに記しています。

「東京バレエ団振付滞在記 第1期(3月8日〜19日)」
「東京バレエ団振付滞在記 第2期(8月9日〜20日)」


今回の公演で「かぐや姫」のタイトルロールを踊るのは、秋山瑛さんと足立真里亜さん。団内のオーディションで選ばれました。

「秋山瑛インタビュー 穣さんの振付には、想像もしなかった動きがいっぱいです」(バレエチャンネル 9月22日)

「足立真里亜インタビュー かぐや姫として舞台に生まれて、1幕分の人生を生きる。その姿をお客様に楽しんでいただきたいです」(バレエチャンネル 10月24日)

「金森穣振付 世界初演「かぐや姫」を踊る 秋山瑛、足立真里亜インタビュー」(NBS Newsウェブマガジン 10月6日)

秋山さんも足立さんもそろって、ドビュッシーの音楽をこの作品のために作られたのではと語っています

今公演では飯田宗孝さんが久々に舞台に立つのも東バファンには話題。同じ舞台に立てるのが嬉しいと語る秋山さん、そこにいるだけで翁と語る足立さん。
(ちなみにお二人は生まれ年が同じで、誕生日もなんと2日違いとか。)

「Top Interview Vol.75 秋山瑛」(Dancers Web Magazine 10月)

秋山さんはチラシ・PVなど「かぐや姫」のメインビジュアルにも登場しているのですが、その撮影時のお話も。


金森さんのTwitterによると、全てのシーンの振付が終わったのが8月19日頃。リハーサルの第2期ですね。その第2期のリハーサルレポートがこちら。

「開幕迫る!東京バレエ団『かぐや姫』リハーサルレポート」(NBS Newsウェブマガジン 10月20日)


撮影時期は不明ですが、金森さんの語り付きのリハーサル映像も公開されています。

「東京バレエ団×金森穣「かぐや姫」(第1幕)世界初演―リハーサル映像」


そしてつい先日、10月27日には公開リハーサルと記者会見が行われました。

「プレス向け公開リハーサル&記者会見レポート ―金森穣振付「かぐや姫」第1幕 世界初演」(NBS 10月29日)

「グランド・バレエの魅力が詰まった新作、間もなく開幕! 東京バレエ団「かぐや姫」リハーサルレポート」(Chacott 11月1日)

「11月6日(土)いよいよ開幕!東京バレエ団『かぐや姫』公開リハーサル行われる」(Dancers Web Magazine 10月29日)

「金森穣×東京バレエ団『かぐや姫』第1幕まもなく世界初演、公開リハーサル&囲み取材レポート」(SPICE 11月3日) 11月3日にリンク追加

東京バレエ団から作品を依頼された時に、ポアントの群舞と男性群舞は絶対にやりたいと思ったと語る金森さん。インタビューやレポートでは1幕冒頭の女性の群舞の美しさは繰り返し言及されていますが、男性群舞の登場は上記で紹介した7月7日掲載のインタビューによると2幕みたいですね。

作品に使われるドビュッシーの曲はすでに3幕分を選んでいるそうです。第1幕は春と夏のシーンが上演され、第2幕は秋、第3幕は冬という構想とのこと。


9月の東京バレエ団『海賊』公演会場のロビーでは、9月9日に新潟放送(BSN)で放映された「かぐや姫」創作映像を見ることができました。10分程の短いものでしたが、番組内で芸術監督の斎藤友佳理さんが語った言葉でこの記事を締めます。

(いい作品になりそう?と問われ)「なります。絶対になりますね。」

金森穣さん振付「かぐや姫」第1幕の世界初演は今週末!!!


東京バレエ団「かぐや姫」「中国の不思議な役人」「ドリーム・タイム」

 11月6日(土) 14:00
 11月7日(日) 14:00
 東京文化会館
  NBSチケットセンター他で発売中

東京バレエ団「かぐや姫」「ドリーム・タイム」

 11月20日(土) 13:00/17:00
 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
  りゅーとぴあオンライン・チケットNBSチケットセンター他で発売中